6/5 一泊二日 えりも町の旧北海道肉牛牧場と、道道987号 豊似広尾線を行く
列島でコロナウィルスが猖獗を極めるなか、雪解けからは読書をして過ごしたものの、
とうとう長の自粛に耐え切れず、令和2年の初ツーリングに繰り出したのが6月の頭。
行先はえりも町と決めていた。
昨年のツーリングで、ゲートに阻まれ入場できなかった、
えりも町の旧道営牧場に、今年こそはたどり着くんだ。
まずは事前にえりも町役場に申請書のFAXを送り、入場の手続きを済ませた。
ここ数年、春先のツーリングはえりも周り、晩成温泉を宿と定めて、
まったり走るのが恒例になっている。
(ディマシオ美術館とかあるようなとこ)
交通量がほとんどなく、まだ春先で長距離に慣れていない体には、
ちょうどいいコースとなっている。
生まれたての子馬を眺めながら寂れた(失礼)集落を繋ぎながら走るのがまた楽しい。
門別町鳩内の集落。
鳩内小学校跡地。
カッコウが鳴いていた。
なんとなく脇道にそれてみると、離農した農家が見つかった。
去年見つけた、人懐っこい馬の親子がいる秘密のスポット。
今年も撫でさせてくれた。
休憩してたら、向こうから勝手に近づいてくるんだもんな。
(ナデナデ…)
(鼻息があったかい…)
左が母馬で、右はたぶん去年見た子馬だろう。
毎年同じようなルートを辿って飽きないのかなと思うけどね、
まったくそんなことないんだよね。
この馬たちにも、来年また会いに行こうって思うしな。
この道道1025号も毎年通ってるけど、「また来たぜぇ…!」って楽しみしかない。
丘を上ったり下りたり、ダートになったり。
今年はさらに、旧道を見つけたりもした。
この手の旧道にしては珍しく、管理がなされているようで、きちんと通り抜けられた。
浦河を過ぎたあたりから、とうとう急峻な日高山地が海の間近まで迫り、
山側を迂回する道がほとんどなくなってくる。
仕方なく国道を走ることになるが、十勝へ向かうクルマはほとんど、
国道236号の天馬街道を通るため、交通量が減るのが幸い。
天気が良いのでエンルム岬の展望台に上ってみる。
幌満の旧国道にも立ち寄り。
えりも町役場で、注意事項などを聞いて、牧場のゲートの鍵をゲット。
行くぜぇぇぇ!!!!
…ゲート開いてた。どうやら林業者が出入りしてるらしい。
気を取り直して、行くぜぇぇ…!!
うおおおお!!
そこには思っていた通りの絶景が広がっていた。
見渡す限りの丘、牧草。
それらを突き抜ける道。
仰ぎ見れば日高の山脈。
眼下にはえりも岬の突端。
…そして風!
海風がモロに吹き付けて、まともに立っていられないほどだ。
バイクも倒れそうな勢いだ。
日差しが暖かいからいいものの、曇天の日などは体力が一瞬で奪われていただろう。
この日、この瞬間にこの景色を見られてよかった~。
報道によると、ここに風力発電を建てる計画があるという。
だとすると、この景色が見られるのもあと数年かもしれない。
さて満喫したし十勝へ向かおう。
あっ。
ゲートが閉まってる。
さっきすれ違った木材運搬車が閉めていったんだな。
というわけで鍵がないと閉じ込められる危険性あり。
きちんと手続きをして侵入…立ち入りしましょう。
今回の旅はほかにも目的があるんだ…。
道道987号 豊似広尾線については二日にわたり探索することになったので別記事で。
今夜の宿はいつものごとく晩成温泉向いの晩成の宿だけど、
広尾からなぁ~んもないナウマン国道を突っ走ったあと、
商店跡のある交差点をカクッと曲がって、
ホロカヤントー線で海辺の温泉までたどり着く瞬間が本当に好きで。
脳汁(ドーパミン)がドバドバ出るのを実感するんだよな。
温泉の前で、「今日が生まれて初めてのキャンプ」というおじさんに出会った。
バイクのナンバーを見ると埼玉であった(うろ覚え)。
なにもこんなとこで…と思ったけど、てか、口に出したけど、
太平洋の波音を聞きながらのキャンプは、きっと一生忘れられないものになったろう。
朝は霧でべちゃべちゃになって往生しただろうな。
日暮れまで間があるので、ちょこっとホロカヤントーを見物した。
いつものやつ。大樹チーズサーモン丼。
これまたいつものやつ。
コロナで少しだけ制約はあったものの、温泉も食堂も普通に利用できてよかった。
あと、食堂で地元のおっさんたちの会話に聞き耳立ててると、
大樹ではすでにこの時点で給付金が支給されていたらしい。早いな。
翌日…。
えりもの役場に鍵を返さねばならないので、日高路を往復することになる。
ちょいと寄り道して廃校を眺める。
歴舟中学校跡。
張り紙によると、なんかに再利用されていたような。なんだっけ。
黄金道路を南下していくと、おそらく昆布漁だと思うが、
地元の漁師の軽トラがものすごいスピードで走っている。
…のはいいのだが、トンネルで煽ったあげく追い越すのはさすがにやめてほしかった。
生活かかってて急いでるのは分かるけどさあ。
北海道ってトンネルで無灯火のクルマもいるから、
もしそんなのと鉢合わせしたら、巻き添え食って即死だよな。
鍵を返す前に、昨日の牧場にたどり着く別の入り口がないかと、
地図を参考に探索してみるが…。
小川を渡るよさげな林道から入れると思ったが…。
チェーンで封鎖。まぁダメだよね。
役場に鍵を返して、あとは無事に帰るだけ。
空腹に耐えかね、静内で食べたラーメン…。
店名は「家康」だったかな、予想外に美味しくて、
気持ちもほっこりして家路についた。