のんびり自転車ダイエット in札幌 ver.2

yahooブログから引っ越しました

初夏の東北ツー 5/25 あれから7年、被災地は

早割で仙台便を予約したのが3月下旬のこと、
とりあえず行き先はざっくりと福島方面に決め、
磐梯吾妻スカイラインと、喜多方ラーメンを目当てに、北海道を発った。

以前の東北ツーリングでは、某大型掲示板で見どころなどを事前に尋ねて、
実際に訪れてその感想を投稿していた。
ガイドブックによらずネットを通じて口コミで教えてもらうという体裁である。
しかし東北関係の掲示板がいわゆる「荒らし」によって機能しなくなっていたため、
今回はその手が使えなくなったので、おおよその宿泊地だけ決めて、
あとは天気とにらめっこの行き当たりばったりの旅になる。

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さすがにフェリーも4度目ともなると、高揚感もない…わけがないんだなこれが!!
いつもよりちょっと遠いところに行くというだけなのに、
ワクワクソワソワが止まらないよね!

船は快調に仙台まで。
船内では吉村昭の「三陸海岸津波」を読む。

仙台港についたとたん、「ムワッ」と熱気が体を包む。
事前の天気予報で気温は把握していたけど、メッシュジャケットと悩んだあげく、
3シーズンジャケットを着てきたんだよな~。

フェリーターミナルからは県道10号線をひたすら南下。
分かりきっていたことだが、あちこち嵩上げの工事中で、関係車両が多い。

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荒浜小学校を見学していく。
津波に耐え大勢の命を救った校舎が、震災遺構として公開されている。
生徒がいなくなった校舎のあちこちではスズメが絶賛子育て中だった。

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当時は、2階の手すりまで津波と瓦礫が押し寄せた。

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2階の戸棚には当時の痕跡が残る。

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当時の町並みを再現した模型も。
中央が校舎、左手が海。

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現在と比較すると…すべて波にさらわれてしまった。
墓地だけが真新しく太陽の光を反射していた。
今は人が住まわなくなった集落で、鳥たちがさかんに飛び交っている。

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海は静か。
散歩や釣り、ランニングを楽しむ人がまばらに見られるくらい。

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浜にあった小屋。かわいい。こういうの好き。


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ここは、名取川の河口を見下ろす高台公園。
奥に左右に走るのが名取川で、上下に走っているのは運河である。
当時、テレビでこの川を瓦礫の山が遡上する様子を見て、
あまりの光景に、言葉を失ったっけ。

まだ海岸線を南下する。
閖上(ゆりあげ)を過ぎたあたりから、交通量はぐんと減ってくる。


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県道38号線沿いの高台公園。
付近は休耕田と、ところどころ、未処理の瓦礫が山になっている。
それとソーラーパネルが異様に多い。

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八重垣神社の看板には、
地元の氏子の植樹で鎮守の森が復活した、云々。

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県道を走っていると目に留まったモニュメント。
風にたなびく黄色いハンカチに書かれた文字は、だいぶかすれている。
奥には小学校が見える。
時刻はちょうどお昼時で、休憩中の工事関係者のトラックがいくつも停まっており、
近づくのはちょっと遠慮しておいた。

道路から山側を見るとコンモリした茂みがあったので近づいてみる。

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やはり神社があった。

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鳥居から小学校を望む。

そうこうしているうちに1時を過ぎ、トラックも仕事に戻ったようなので、
小学校に近づいてみる。入り口はどこも厳重にフェンスでふさがれていた。

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右上に青く小さく見えるのが津波到達地点。
こんなに高い津波が来たら、付近の集落はひとたまりもなかっただろうな。

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足元には校碑がうち捨てられていた。


このさき、福島県内の南相馬市へと南下し、内陸部へと向かう。
さらに南に向かっても原発事故による通行止めがあるだけ。

今回のツーリングで、福島県の各地域を、
海岸側から浜通り中通り会津と称することを初めて知った。
それまでは、浜通り中通りと言えばごくごく近い地域のことを指すと思っていた。

つまり、南相馬市浜通りで、
これからひとつ山こえた中通り福島市へと向かう。

国道は通らず県道12号線をトロトロ走る。
気持ちの良いツーリングコース。

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真新しいトンネルの手前に脇道を見つけたので、当然そちらを通る。

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飯館村に入った。峠の途中にはお猿さんがいっぱい。
さきほどのトンネルは今年の3月に開通したばかりだった。

飯舘村を走っていて目につくのは休耕田の多さ。
それと、ところどころにシートをかぶせられた、汚染土らしきもの。
ちょっと気持ちが塞がるが、道民にできることと言えば、
せいぜい福島県でうまいメシを食っていくくらいだろう。

国道の看板を見つけたのでそちらに右折する。

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でもなんか…国道にしちゃ、狭いんだよね。

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曲がりくねった高低差のある国道沿いに、棚田と集落が点在している。

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変化に富んだ良い道。

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山をこえたこちら側では、田んぼも普段と変わらないようだ。



福島市街地でさんざん迷ったあげく旅館にチェックイン。
今回のツーリングはキャンプを一切とりやめ、すべて宿に泊まることにした。
べつに福島を支援したいとかそういうつもりではなく、
下調べして、福島県内には使い勝手の良いキャンプ場がなさそうだったから。
それだけ。

宿は増築に増築を繰り返した迷路のような作りで、
誰かが廊下を通れば床が揺れる、一泊二食で6200円、そんな感じ。

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クーラーもきくしテレビもあるし、他は望むべくもない…。

なんせここはメシがうまい、食堂でバイキング形式なんだけど、
仲居さんたちが腕を奮って作ったおかずがたくさん出てくる。
思わず食いすぎてゲップー。

部活の合宿らしい学生さんたちが二組くらい泊まっていて、
さぞかしうるさいだろうと思ったら、まったくそんなことはなかったぜ。
夜9時も過ぎたらシーーーン。
ぐっすり眠れたっス。

今日明日と二泊予約してあるので、明日は朝早くから磐梯吾妻スカイラインへ!